食の生活レベルを下げるのだ
8年ぶりに、8枚切り98円の食パンを購入した。
これまで本仕込とロイヤルブレッド、稀に超熟にしか手を出せなかった私にしては大冒険だ。
8年前に食べた食パンは、当時ルームシェアしていた姉が買ってきたものだった。
銘柄は覚えていない。ただ「百均で買ってきた~」という出自と、パッケージに「小麦の甘み」と書かれていたことは覚えている。
はたしてそのパンは甘かった。砂糖とも麦とも明確に違う、人工的な甘みだった。
「今お前は甘みを感じたな?それが小麦の甘みだ。……わかったな?」と
喉元締め上げて脅されているような味だった。
それから一定価格以上の食パンにトラウマを持ち、各種パンメーカーのええレベルのパンばかりに手を出していたのだ。ボーナスゼロの中小企業勤めにも関わらず。
ちなみに食パンのレベルを下げようと8年ぶりに思い立った理由も姉だ。
安定した天下の大企業で、残業代や夏冬の連休をしっかりもらいながら働く姉が、
業務スーパーで一斤200円の鬼安食パンで糊口をしのいでいると聞いたからだ。
「別に全然ふつーに食べられるけど、バターだけで食べると虚無感あるかな~」
と笑いながら語っていたが、そもそも虚無を感じる時点で別に全然ふつうではない。
だが、暮らしが安定した姉ですら切り詰めるなら、私には倍以上の節約に努めなければ。
買ってきた98円の食パンは、マヨとアスパラで土手作ってラピュタパンにしたり、
鳥はむとにんじんキャベツでサンドイッチ作って食べたらふつーにおいしかった!やったーーー!
これから食パンのレベルを落として節約するぞーー!!と無邪気にたぎる気持ちと、
「いやパンに乗せる具工面するほうが高くつくのでは?」と疑う気持ちがせめぎあっていますが、とりあえず明日はテレビで見て衝動買いした成城石井のピスタチオスプレッドを塗りたくりたいと思います。こういうところが壊滅的に節約に向いていない。まあおいしそうだったからしょうがないよね。